IATF16949品質マニュアル のサンプル(一部)

4 組織の状況

4.1組織及びその状況の理解
当社は,当社の目的及び戦略的な方向性に関連し,かつ,その品質マネジメントシステムの意図した結果を達成する当社の能力に影響を与える,外部及び内部の課題を「IATF会議」において決定し, 「外部及び内部の課題シート」に明確にする。また,これらの外部及び内部の課題に関する情報は日々監視し,「IATF会議」やマネジメントレビューにてレビューする。
4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解
次の事項は,顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たした製品及びサービスを一貫して提供する当社の能力に影響又は潜在的影響を与えるため,これらを「IATF会議」にて決定し, 「利害関係者及びその要求事項一覧表」に明確にする。
(1)品質マネジメントシステムに関連する利害関係者
(2)品質マネジメントシステムに密接に関連するそれらの利害関係者の要求事項
当社は,これらの利害関係者及びその関連する要求事項に関する情報を日々監視し,毎月の「IATF会議」やマネジメントレビューにてレビューする。また,利害関係者及びその関連する要求事項に関する情報の見直しが行われた場合には,「利害関係者及びその要求事項一覧表」を改訂する。
※利害関係者のニーズ及び期待(要求事項)とは,製品及びサービスに対する要求事項のことではなく,利害関係者が当社に対するニーズ及び期待のことです。
4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定
当社は,品質マネジメントシステムの適用範囲を「1.適用範囲」に定める。
この適用範囲を決定するとき,当社は,次の事項を考慮した。
(1)4.1 組織及びその状況の理解に規定する外部及び内部の課題
(2)4.2利害関係者のニーズ及び期待の理解に規定する,密接に関連する利害関係者の要求事項
(3)当社の製品及びサービス
当社の品質マネジメントシステムの適用範囲は,当品質マニュアルの「1.適用範囲」に明記し,利用可能な状態にし,維持する。
4.3.1品質マネジメントシステムの適用範囲の決定-補足
支援部門(総務部,営業部,設計部,購買部,品質保証部)は,品質マネジメントシステム(QMS)の適用範囲に含める。
4.3.2 顧客固有要求事項
顧客固有要求事項は,評価し,当社の品質マネジメントシステムの適用範囲に含める。
※貴社に適用される顧客固有要求事項としての先行製品品質計画(APQP),生産部品承認プロセス(PPAP),故障モード影響解析(FMEA),統計的工程管理(SPC),測定システム解析(MSA)の採用については,貴社において考慮してください。
(参照文書)適用範囲

4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス
4.4.1
当社は,この品質マニュアルで必要なプロセス及びそれらの相互作用を含む,品質マネジメントシステムを確立し,実施し,維持し,かつ,継続的に改善する。
当社は,品質マネジメントシステムに必要なプロセス及びそれらの当社全体にわたる適用を「品質保証体系図」で決定する。そして,また,次の事項を明確にする。
(1)これらのプロセスに必要なインプット,及びこれらのプロセスから期待されるアウトプットを「タートル図―プロセス名」で明確にする。
(2)これらのプロセスの順序及び相互作用を「品質保証体系図」で明確にする。
(3)これらのプロセスの効果的な運用及び管理を確実にするために必要な判断基準及び方法(監視,測定及び関連するパフォーマンス指標を含む)をこの品質マニュアルの各項や各手順書に明記する。
(4)これらのプロセスに必要な資源(「7.1.2人々」,「7.1.3インフラストラクチャ」,「7.1.4プロセスの運用に関する環境」)を「タートル図―プロセス名」で明確にし,及びそれが利用できることを確実にする。
(5)これらのプロセスに関する責任及び権限を付表「責任権限一覧表」「IATF規格要求事項と各部門との対応表」の通り割り当てる。
(6)6.1の要求事項に従って「IATF会議」で決定したとおりにリスク及び機会に取り組む。
(7)これらのプロセスを「内部監査」, 「マネジメントレビュー」等で評価し,これらのプロセスの意図した結果の達成を確実にするために必要な変更を実施する。
(8)これらのプロセス及び品質マネジメントシステムを改善する。
4.4.1.1 製品及びプロセスの適合
当社は,全ての製品及びプロセスが,サービス部品及びアウトソースしたものを含めて,該当する,全ての顧客,法令,規制の要求事項(8.4.2.2参照)に適合することを確実にする。
4.4.1.2 製品安全
当社は,製品安全に関係する製品及び製造工程の運用管理について「品質管理規定 第1章製品安全(4.4)」に定め,下記の事項を含める。
a)法令・規制の製品安全要求事項の特定
b)a)における要求事項の顧客からの通知
c)設計FMEA(故障モード影響解析(FMEA))に対する特別承認
d)製品安全に関係する特性の特定
e)安全に関係する製品特性及び製造時点での特性の特定及び管理
f)コントロールプラン及び工程FMEA(故障モード影響解析(FMEA))の特別承認
g)対応計画(9.1.1.1参照)
h)定められた責任,トップマネジメントを含めた上申プロセス及び情報フローの明確化,並びに顧客への通知
i)製品安全に関係する製品及び関連する製造工程に携わる要員に対する,自社又は顧客によって特定された教育訓練
j)製品又は工程の変更は,工程及び製品の変更(8.3.6参照)による製品安全に関する潜在的影響の評価を含めて,実施前に承認する。
k)顧客指定の供給者(8.4.3。1参照)を含む,サプライチェーン全体にわたって製品安全に関する要求事項の連絡

5 リーダーシップ
5.1リーダーシップ及びコミットメント
5.1.1一般
社長は,「品質管理規定 第2章 リーダーシップ及びコミットメント(5.1)」の定めに従い,次に示す事項を実施することによって,品質マネジメントシステムに関するリーダーシップ及びコミットメントを実証する。
(1)品質マネジメントシステムの有効性をマネジメントレビューの実施の証拠に基づいて説明責任を負う。
(2)品質方針及び品質目標を確立し,それらが当社の状況及び戦略的な方向性と両立することを確実にします。
(3)当社の事業プロセスへの品質マネジメントシステム要求事項が一体となるように仕事や手順の中に取り組むことにより運営します。
(4)プロセスアプローチ及びリスクに基づく考え方を促進します。
(5)品質マネジメントシステムに必要な資源(人,もの,カネ)が利用可能であるように準備します。
(6)有効な品質マネジメントを実施すること,品質マネジメントシステムの要求事項への適合することの重要性を伝達します。
(7)品質マネジメントシステムがその意図した結果を達成することを確実にします。
(8)品質マネジメントシステムの有効性に寄与する人々を積極的に参加させ,指揮し,支援します。
(9)マネジメントレビューにより改善を促進します。
(10)その他の管理者がそれぞれの責任の範囲においてリーダーシップを発揮できるように管理者の役割を支援する。
5.1.1.1企業責任
当社は,「経営理念」で企業責任方針を定め,実施する。また「倫理規定」に贈賄防止方針,従業員行動規範及び倫理的上申方針(内部告発方針)を定める。
5.1.1.2 プロセスの有効性及び効率
管理責任者は,プロセスの有効性及び効率を評価し改善するために,製品実現プロセス及び支援プロセス(顧客志向プロセスやマネジメントプロセスも含む)を内部監査でレビューする。プロセスレビュー活動の結果は,マネジメントレビュー(9.3.2.1参照)へのインプット項目とする。
5.1.1.3 プロセスオーナー
社長は,プロセス及び関係するアウトプットをマネジメントする責任をもつプロセスオーナーを任命し,「品質保証体系図」で明確にする。プロセスオーナーは,自らの役割を理解し,その役割を実行する力量があることを実証する。(7.2参照)。
5.1.2 顧客重視
社長は,次の事項を確実にすることによって,顧客重視に関するリーダーシップ及びコミットメントを実証する。

5.3.1組織の役割,責任及び権限-補足
社長は,顧客要求事項が満たされることを確実にするために,責任及び権限をもつ要員を任命し,「職務任命書」を発行する。これには,特殊特性の選定,品質目標の設定及び関連する教育訓練,是正処置及び予防処置,製品の設計・開発,生産能力分析,物流情報,顧客スコアカード及び顧客ポータルを含める。
5.3.2 製品要求事項及び是正処置に対する責任及び権限
社長は,次の事項を確実にする。
a)製品要求事項への適合に責任を負う品質保証部長は,品質問題を是正するために,出荷を停止し,生産を停止する権限をもつ。
工程設計のゆえに,必ずしも直ちに生産を停止できない場合には,影響のあるバッチは封じ込めて,顧客への出荷を防止する。
b)不適合製品が顧客に出荷されないように,また,全ての潜在的不適合製品を識別し封じ込めるために,是正処置に対する権限及び責任をもつ品質保証部長に,要求事項に適合しない製品又はプロセスの情報が速やかに報告されるしくみを「品質管理規定 第30章 不適合製品の管理」,「品質管理規定 第33章 不適合,是正処置及び予防処置」に定める。
c)全てのシフトにわたる生産活動に,製品要求事項への適合を確実にする責任を負う,又はその責任を委任された製造部長を配置する。
責任権限一覧表
各階層 責任権限
社長 当社の品質マネジメントシステムに関する最高責任者
①品質マネジメント上の役割・責任・権限の決定及び要員の任命
②管理責任者の任命
③製品要求事項への適合に責任を負う要員の任命
④是正処置に対する権限及び責任をもつ要員の任命
⑤リスク及び機会への取組みのリーダー
⑥リスク分析のリーダー
⑦事業継続計画の承認
⑧品質マネジメントシステムに関するリーダーシップ及びコミットメントの実証
⑨プロセスオーナーを任命
⑩顧客重視に関するリーダーシップ及びコミットメントを実証する。
⑪品質方針を確立
⑫外部及び内部の課題及び利害関係者の要求事項の検討
⑬リスク及び機会への取組み計画の承認
⑭品質マニュアル等の承認
⑮製品に関する要求事項の明確化, 製品に関連する要求事項のレビューのリーダー
⑯製造フィージビリティ(実現可能性調査)のリーダー
⑰マネジメントレビューの実施及び決定及び処置 など
管理責任者 当社の品質マネジメントシステムに関する管理責任者
①品質マニュアルの作成
②製品実現プロセス及び支援プロセス(顧客志向プロセスやマネジメントプロセスも含む)を内部監査でレビュー

IATF規格要求事項と各部門との対応表
IATF規格要求事項

4 組織の状況
4.1 組織及びその状況の理解 ◎ 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇
4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解 ◎ 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇
4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定
◎ 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇
4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス
◎ 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇
5 リーダーシップ
5.1リーダーシップ及びコミットメント ◎ 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇
5.2 方針 ◎ 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇
5.3 組織の役割,責任及び権限 ◎ 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇
6 計画
6.1リスク及び機会への取組み 〇 ◎ 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇
6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定 〇 ◎
〇 〇 〇 〇 〇 〇
6.3 変更の計画 〇 ◎ 〇 〇 〇 〇 〇 〇
7 支援
7.1 資源 〇 〇 ◎ 〇 〇 〇 〇 〇
7.2 力量 〇 ◎ 〇 〇 〇 〇 〇 〇
7.3 認識 〇 ◎ 〇 〇 〇 〇 〇 〇
7.4 コミュニケーション 〇 ◎ 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇
7.5 文書化した情報 〇 ◎ 〇 〇 〇 〇 〇 〇
8 運用
8.1 運用の計画及び管理 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 ◎
8.2 製品及びサービスに関する要求事項 〇 〇 〇 ◎ 〇 〇 〇 〇
8.3 製品及びサービスの設計・開発 〇 〇 〇 〇 ◎ 〇 〇 〇
8.4 外部から提供されるプロセス,製品及びサービスの管理
〇 〇 〇 〇 〇 ◎ 〇 〇 〇
8.5 製造及びサービス提供 〇 〇 〇 〇 〇 〇 ◎ 〇
8.6 製造及びサービスのリリース 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 ◎
8.7 不適合なアウトプットの管理 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 ◎

6 計画
6.1リスク及び機会への取組み
リスク及び機会への取組みの手順については,「品質管理規定 第4章 リスク及び機会への取組み(6.1)」に定める。
6.1.1 品質マネジメントシステムの計画を策定するとき,社長をリーダーとするAPQPチームは,4.1 に規定する外部及び内部の課題及び 4.2 に規定する利害関係者の要求事項を考慮し,次の事項のために取り組む必要があるリスク及び機会を「IATF会議」で話し合い,その結果を「リスク及び機会の検討結果表」に記する。
(1)品質マネジメントシステムが,その意図した結果を達成できるという確信を与える。
(2)望ましい影響を増大する。
(3)望ましくない影響を防止又は低減する。
(4)改善を達成する。
6.1.2 社長をリーダーとするAPQPチームは,次の事項を「リスク及び機会への取組み計画」に計画する。
(1)上記によって決定したリスク及び機会への取組み
(2)次の事項を行う方法
①その取組みの品質マネジメントシステムプロセスへの統合及び実施(4.4 参照)
②その取組みの有効性の評価
リスク及び機会への取組みは,製品及びサービスの適合への潜在的な影響と見合ったものとする。
③リスクの取組みの選択肢には, リスクを回避すること,ある機会を追求するためにそのリスクを取ること, リスク源を除去すること,起こりやすさ若しくは結果を変えること, リスクを共有すること,又は情報に基づいた意思決定によってリスクを保有する。
④機会は,新たな慣行の採用,新製品の発売,新市場の開拓,新たな顧客への取組み,パ-トナーシップの構築,新たな技術の使用,及び組織のニーズ又は顧客のニーズに取り組むためのその他の望ましくかつ実行可能な可能性につながり得る。
6.1.2.1 リスク分析
社長をリーダーとするAPQPチームは,最低限,製品のリコールから学んだ教訓,製品監査の結果,市場で起きた回収・修理データ,顧客の苦情,製造工程におけるスクラップ(廃棄)及び手直しを,リスク分析に含める。そしてそのリスク分析の結果を「リスク分析結果表」に記録する。
(参照文書)リスク分析結果表
6.1.2.2 予防処置
当社は,起こり得る不適合が発生することを防止するために,その原因を除去する処置を決め,実施する。予防処置は,起こり得る問題の重大性に応じたものにする。
次の事項を含む,リスクの悪影響を及ぼす直合いを減少させるプロセスを「品質管理規定 第33章 不適合,是正処置及び予防処置」に定める。
a)起こり得る不適合及びその原因の特定
b)不適合の発生を予防するための処置の必要性の評価
c)必要な処置の決定及び実施

7 支援
7.1資源
7.1.1 一般
当社は,品質マネジメントシステムの構築,運用,管理及び継続的改善に必要な資源(人,モノ,カネ,情報)を準備する。必要な資源の準備には,社内の資源及び外部提供者からの取得を検討する。
必要な資源には,知識・力量を備えた人的資源,インフラストラクチャ,プロセスの運用の環境,監視測定のための資源,社内の知識などがある。
7.1.2 人々
当社は,品質マネジメントシステムの効果的な実施,並びにそのプロセスの運用及び管理のために力量を備えた人(教育訓練及び経験を通し獲得した知識,技能及びノウハウなどを適切に適用し,業務を実践できる人と実証された人)を「IATF会議」において検討し,当社の採用手続きに従い,必要な数だけ資源として確保する。
7.1.3 インフラストラクチャ
当社は,製品要求事項への適合を達成するのに必要とされるインフラストラクチャ(建物,設備,輸送の資源,情報通信器など)を「工場,施設及び設備のリスト」で明確にし,提供しかつ維持する。
7.1.3.1 工場,施設及び設備の計画
総務部は,工場,施設及び設備の計画を策定し改善するために,リスク特定及びリスク緩和の方法を含めて,総務部長をリーダーとしたAPQPチームで行う。工場レイアウトを設計する際は,当社は次の事項を実施する。
a)不適合製品の管理を含む,材料の流れ,材料の取扱及び現場スペースの付加価値のある活用を最適化する。
b)該当する場合には,必ず,同期のとれた材料の流れを促進する。
新製品及び新運用,生産能力計画に対する製造フィージビリティを評価するために,「製造フィージビリティ検討結果表」に方法を定め,顧客から注文を受ける前に実施する。
これらの方法は,既存の運用への提案された変更を評価することにも適用可能なものとする。
当社は,製造工程の有効性を維持するために, リスクに関連する定期的再評価を含めて,工程承認
中になされた変更,コントロールプランの維持(8.5.1.1参照)及び作業の段取り替え検証(8.5.1.3参照)を取り入れる。
製造フィージビリティ評価及び生産能力評価は,マネジメントレビューへのインプットとする。
(9.3参照)
これらの要求事項には,リーン生産の原則(ムダのない筋肉質な製造体制)の適用を含める。
これらの要求事項は,該当する場合には,必ず,場内外注作業に適用する。
詳しくは「品質管理規定 第7章 インフラストラクチャ(7.1)」に定める。
7.1.4 プロセスの運用に関する環境(作業環境)
プロセスが適切な環境に整備されていないと,プロセスの適切な運用ができず,また,製品及びサービスの適合が保証できなくなる。よって詳しくは「品質管理規定 第8章 作業環境(7.1)」に定めて運営管理する。
当社は,製品の適合性を達成するのに必要な作業環境(作業環境とは,物理的,環境的及びその他の要因を含む,(例えば騒音,気温,湿度,照明,天候))作業が行われる状態と関連している。)を明確にし,運営管理する。

7.2.2 力量一業務を通じた教育訓練(OJT)
管理責任者は,品質要求事項への適合,内部要求事項,規制又は法令要求事項に影響する,新規の又は変更された責任を負う要員に対し,業務を通じた教育訓練(OJT)(これには顧客要求事項の教育訓練を含める。)を提供する。これには,契約又は派遣の要員を含める。業務を通じた教育訓練(OJT)に対する詳細な要求レベルは,要員が有する教育及び日常業務を実行するために必要な任務の複雑さのレベルに見合っている。品質に影響し得る仕事に従事する要員には,顧客要求事項に対する不適合の因果関係について知らせる。
7.2.3 内部監査員の力量
当社は,顧客固有要求事項を考慮に入れて,内部監査員が力量をもつことを検証するプロセスを「品質管理規定 第31章 内部監査(9.2)」に定める。
監査員の力量に関する追加の手引には,ISO19011を参照する。資格をもつ内部監査員のリストを「有資格者リスト」に登録する。
品質マネジメントシステム監査員,製造工程監査員及び製品監査員は,全て,次の最低限の力量をもち、「内部監査員認定試験」に合格したものとする。
a)リスクに基づく考え方を含む,監査に対する自動車産業プロセスアプローチの理解
b)顧客固有要求事項の理解
c)ISO9001及びIATF16949要求事項の理解
d)コアツール要求事項の理解
e)計画,実施,報告及び監査所見の完了の仕方の理解
さらに,製造工程監査員は,監査対象となる該当する製造工程の,工程リスク分析(PFMEA)及びコントロールプランを含む,専門的理解をもつ。製品監査員は,製品の適合性を検証するために,製品要求事項の理解,並びに該当する測定及び試験設備の使用において,力量をもつ。
力量を獲得するために教育訓練が提供される際は,上記要求事項を備えたトレーナーの力量を実証するトレーナーの経験の記録である「教育訓練個人記録」を保持する。
内部監査員の力量における維持及び改善は,次の事項を通じて実証する。
f)「内部監査年間計画」に定める,年間最低回数の監査の実施
g)内部変化(例 工程技術,製品技術)及び外部変化(例ISO9001,IATF16949,
コアツール及び顧客固有要求事項)に基づく,該当する要求事項の知識の維持
(参照文書)品質管理規定 第31章 内部監査(9.2)
7.2.4 第二者監査員の力量
当社は,第二者監査を実施する監査員の力量を「第二者監査員認定試験」,「有資格者一覧表」等で実証する。第二者監査員は,監査員の適格性確認に対する顧客固有要求事項を満たし,次の事項の理解を含む,最低限の核となる次の力量を実証する。
a)リスクに基づく考え方を含む,監査に対する自動車産業プロセスアプローチ
b)顧客及び当社の固有要求事項
c)ISO9001及びIATF16949要求事項
d)PFMEA及びコントロ-ルブランを含む,監査対象となる製造工程
e)コアツール要求事項
f)計画,実施,監査報告書の準備及び監査所見の完了の仕方

IATF
規格要求事項
文書化した情報
品質マニュアル 品質管理規定 品質管理手順書 文書及び記録 文書化
8.6.4 外部から提供される製品及びサービスの検証及び受入
第30章 受入検査(8.6) 受入検査表
8.6.5 法令・
規制への適合
8.6.5 法令・
規制への適合
8.6.6 合否判
定基準
8.6.6 合否判
定基準
8.7 不適合なアウトプットの管理
第31章 不適合製品の管理(8.7) 不適合製品発生報告書
8.7.1 8.7.1
8.7.1.1 特別採用に対する顧客の正式許可
特別採用認可書
8.7.1.2 不適合製品の管理-顧客規定のプロセス
8.7.1.3 疑わしい製品の管理
8.7.1.4 手直し製品の管理
コントロールプラン
8.7.1.5 修理製品の管理
分解又は修理指示書
8.7.1.6 顧客への通知
不適合製品出荷通知書
8.7.1.7 不適合製品の廃棄

第31章 不適合製品の管理(8.7)
8.7.2

9 パフォーマンス評価
9.1監視,測定,分析及び評価
第32章 監視,測定,分析及び評価(9.1)
9.1.1 一般  監視,測定,分析及び評価表
9.1.1.1 製造工程の監視及び測定

工程能力評価表
製造工程能力等調査結果表

9.1.1.2 統計的ツールの特定

NO 品質文書及び記録一覧表 管理番号 保管部署 保管年数
14 校正/検証の活動の記録 7.1-07 品質保証部 4年
15 力量一覧表 7.2-01 管理責任者 4年
16 年度教育訓練計画 7.2-02 管理責任者 4年
17 有資格者一覧表 7.2-03 管理責任者 永久
18 教育訓練個人記録 7.2-04 管理責任者 4年
19 教育訓練実施報告書 7.2-05 各部長 1年
20 会議議事録 7.4-01 各部長 1年
21 コミュニケーション記録 7.4-02 品質保証部 4年
22 苦情処理報告書 7.4-03 品質保証部 4年
23 内部文書リスト一覧表 7.5-01 品質保証部 4年
24 内部文書管理台帳 7.5-02 品質保証部 4年
25 外部文書リスト一覧表 7.5-03 品質保証部 4年
26 外部文書管理台帳 7.5-04 品質保証部 4年
27 受注検討記録 8.2-01 品質保証部 4年
28 製造フィージビリティ検討結果表 8.2-02 品質保証部 4年
29 APQP計画書 8.3-01 品質保証部 4年
30 ソフトウェア開発能力の評価表 8.3-02 設計部 4年
31 設計・開発中の規定された段階での測定項目 8.3-03 設計部 4年
32 APQP計画総括・承認書 8.3-04 品質保証部 4年
33 設計開発変更記録 8.3-05 設計部 4年
34 設計改善要望書 8.3-06 設計部 4年
35 取引先評価表 8.4-01 品質保証部 4年
36 取引先再評価表 8.4-02 品質保証部 4年
37 取引先台帳 8.4-03 品質保証部 4年
38 供給者のパフォーマンス評価表 8.4-04 品質保証部 4年

8 運用
8.1 運用の計画及び管理
当社は,次に示す事項の実施によって,製品及びサービスの提供に関する要求事項を満たすため,並びに6 計画 で決定した取組みを実施するために必要なプロセスを,APQP(先行製品品質計画)」「コントロールプラン」「各タートル図」従い, 計画し,実施し,かつ,管理する(4.4 参照)。APQP(先行製品品質計画)については,「品質管理規定 第15章 APQP」に定める。
(1)製品及びサービスに関する要求事項の明確化
(2)次の事項に関する基準の設定(各タートル図参照)
①プロセス
②製品及びサービスの合否判定
(3)製品及びサービスの要求事項への適合を達成するために必要な資源の明確化 (各タートル図参照)
(4)(2)の基準に従った,プロセスの管理の実施
(5)次の目的のために必要な程度の,文書化した情報の明確化,維持及び保持。
①プロセスが計画どおりに実施されたという確認をもつ。
②製品及びサービスの要求事項への適合を実証する。この計画のアウトプット(各タートル図,
APQP計画書など)は,当社の運用に適したものとする。
当社は,計画した変更を管理し,意図しない変更(購入材料の特性が変更されたのに作業者が間違って製造条件を変更したなど)によって生じた結果を「製造部会議」でレビューし,必要に応じて,有害な影響を軽減する処置(製品及びサービスの要求事項を満たさない事態が発生した場合に,それについて対応)する。 当社は,外部委託したプロセスが管理されていること
を確実にする(8.4 参照)。
8.1.1運用の計画及び管理-補足
製品実現の計画をする際は,次の事項を含める。
a)顧客の製品要求事項及び技術仕様書
b)物流要求事項
c)製造フィージビリティ(8.2.3.1.3)
d)プロジェクト計画(8.3.2設計・開発の計画 参照)
e)合否判定基準
8.1 c)に特定される資源は,製品及び製品の合否判定基準に固有の,要求される検証,妥当性確認,監視,測定,検査及び試験活動をいう。
8.1.2 機密保持
当社は,下記のような機密保持について「品質管理規定 第14章 機密保持」に定めて取り組む。
①技術データ,試作品などの機密が流失しないように管理を徹底する。
②電子情報の流失がないように必要な情報セキュリティの管理する。
③保管場所へのアクセス(アクセスできるものの特定)は,管理する。
④電子媒体の管理
⑤休日の施錠
⑥新プロジェクトおよび変更に関係する機密の,特別な注意
8.2 製品及びサービスに関する要求事項
当社は,次の事項に関して顧客とのコミュニケーションを図るための効果的な方法を「品質管理規定 第15章 依頼、見積仕様書及び契約内容の確認」に明確にし,実施する。
(参照文書)品質管理規定 第15章 依頼、見積仕様書及び契約内容の確認

8.3.2.1設計・開発の計画一補足
(1)設計担当者は,設計・開発業務にあたり,常に部門横断のAPQPチーム(総務部,営業部,設計,購買,製造,品質,供給者,他の適切な部門及び,必要に応じて,サプライチェーン)と適切な情報交換を行いながら,APQPチームと同時に進める。
(2)APQPチームで行う事項
a)APQP計画の策定及び「APQP計画書」の作成(メンバーの設計担当者が作成) ※IATF16949の取得準備の際,そのほかの新製品の販売の場合に計画をする。
b)代替の設計提案及び製造工程案の使用を検討するような,製品設計及び製造工程設計の活動(例えば,DFM及びDFA)
c)潜在的リスクを低減する処置を含む,製品設計リスク分析(故障モード影響解析(FMEA))の実施及びレビュー
d)製造工程リスク分析の実施及びレビュー(故障モード影響解析(FMEA),工程フロー,コントロールプラン及び作業指示書)製品設計リスク分析, 製造工程リスク分析については,「品質管理手順書 第4章 故障モード影響解析FMEA」に定める。
8.3.2.2 製品設計の技能
(1)設計部長は,設計担当者が,①設計要求事項を実現する力量をもち,②適用されるツール及び手法の技能(数学的デジタルデータの適用)をもつことを「西暦 年教育訓練計画」の実施により確実にする。
(2)適用されるツール及び手法を「タートル図―製品設計プロセス」で明確にする。
8.3.2.3 組込みソフトウエアをもつ製品の開発
(1)設計部は,内部で開発された組込みソフトウェアをもつ製品に対する製品設計の品質保証にISO26262 自動車の機能安全のプロセスを用いる。
(2)ソフトウェア開発評価を,ソフトウェア開発プロセスを評価するために利用する。
(3)ソフトウェア開発能力の評価
リスク及び顧客に及ぼす潜在的な影響に基づく優先順位付けを用いて,ソフトウエア開発能力の自己評価の「ソフトウェア開発能力の評価表」を保持する。
(4)ソフトウェア開発を内部監査プログラム(9.2.2.1参照)の範囲に含める。
(参照文書)ソフトウェア開発能力の評価表
8.3.3 設計・開発へのインプット
(1)設計担当者は, 製品の設計・開発に不可欠な要求事項を明確にし,「APQP計画書」に記入し,関連する情報は保存する。
(2)設計・開発の計画において考慮すべき事項。
a)機能及びパフォーマンスに関する要求事項
b)以前の類似の設計・開発活動から得られた情報
c)法令・規制要求事項
d)当社が実施することをコミットメントしている,標準又は規範(codes of pracicc)
e)製品及びサービスの性質に起因する失敗により起こり得る結果
(3)設計部長は,設計へのインプットが,設計・開発の目的に対して適切で,漏れがなく,曖昧でないことを確認し,「APQP計画書」に確認の結果を記載する。
(4)設計・開発へのインプット間の相反は,解決する。
8.3.3.1製品設計へのインプット
(1)設計担当者は,契約内容の確認の結果として,製品設計へのインプット要求事項(顧客仕様書,ベンチマーク,顧客指定の特殊特性,関連法規制)を特定し,「APQP計画書」を作成

②供給者から提案されたものも含める。
(2)承認
これらの変更内容は,生産で実施する前に,必要な範囲で、顧客要求事項に対する設計審査,設計検証及び設計の妥当性確認を再度行い, APQPチームのリーダーである設計部長の承認後,変更を実施する。
(3)設計担当者は,文書化した承認,又は文書化した免除申請を,生産で実施する前に顧客から取得する。(顧客から要求される場合)
(4)ソフトウェア
組込みソフトウェアをもつ製品に対して,ソフトウェア及びハードウェアの改訂レベルを変更記録の一部として「設計開発変更記録」に記録する。
(参照文書)設計開発変更記録
8.4 外部から提供されるプロセス,製品及びサービスの管理
8.4.1一般
当社は,外部から提供されるプロセス,製品及びサービスが,要求事項に適合していることを「品質管理規定 第17章 購買」「品質管理規定 第18章 外部委託管理」で確実にする。
当社は,次の事項に該当する場合には,外部から提供されるプロセス,製品及びサービスに適用する管理を決定する。
(1)外部提供者(取引業者)からの製品及びサービスが,当社自身の製品及びサービスに組み込むことを意図したものである場合(材料等の購入)
(2)製品及びサービスが,当社に代って,外部提供者から直接顧客に提供される場合(代行)
(3)プロセス又はプロセスの一部が,当社の決定の結果として,外部提供者から提供される場合 (外部委託)
当社は,要求事項に従ってプロセス又は製品・サービスを提供する外部提供者の能力に基づいて外部提供者の評価,選択,パフォーマンスの監視,及び再評価を行うための基準を「品質管理規定第20章 外部委託」で決定し,適用する。当社は,これらの活動及びその評価によって生じる必要な処置について,文書化した情報(「取引先評価表」「取引先再評価表」「取引先台帳」)を保持する
8.4.1.1 一般-補足
購買部は,サブアセンブリ,整列,選別,手直し及び校正サービスのような,顧客要求事項に影響する全ての製品及びサービスを,外部から提供される製品,プロセス及びサービスの定義の範囲に含める。
8.4.1.2 供給者選定プロセス
(1)購買部長は,供給者選定プロセスを「品質管理規定 第17章 購買(8.4)」に定める。
(2)選定プロセスには,次の事項を含める。
a)選定される供給者の製品適合性及び顧客に対する当社の製品の途切れない供給に対する
リスクの評価
b)関連する品質及び納入パフォーマンス
c)供給者の品質マネジメントシステムの評価
d)部門横断的意思決定
e)ソフトウェア開発能力の評価
(3)供給者の選定基準には,次の事項を考慮する。
- 自動車事業の規模(絶対値及び事業全体における割合)
- 財務的安定性
- 購入される製品,材料,又はサービスの複雑さ

8.4.3.1 外部提供者に対する情報-補足
当社は,全ての該当する法令・規制要求事項,並びに製品及び工程の特殊特性を供給者に引き渡し,サプライチューンをたどって,製造現場にまで,全ての該当する要求事項を展開するよう,供給者に要求する。
8.5 製造及びサービス提供
8.5.1 製造及びサービス提供の管理
(1)製造部は,製造及びサ-ビス提供を「製造工程フロー図」「コントロールプラン」「タートル図ー製造プロセス」「作業指示書」等で計画し,管理された状態で必ず実行する。詳しくは「品質管理規定 第20章 製造管理」に定める。
(2)管理された状態には,次の事項のうち,該当するものについて,必ず含める。
a)次の事項を定めた文書化した情報(作業指示書など)を利用できるようにする。
1)製造する製品,提供するサービス,又は実施する活動の特性。
8.3.5設計・開発からのアウトプット,8.3.5.1設計・開発からのアウトプット補足に基づく製品の特性をのべた情報が利用でき、特に“特殊特性”を述べた情報には注意する。 (タートル図ー製造プロセス 参照)
2)達成すべき結果 (タートル図ー製造プロセス 参照)
b)監視及び測定のための適切な資源を利用できるようにし,かつ,使用する。
7.1.5監視及び測定のための資源に基づいて管理された監視機器及び測定機器が利用でき,使用する。これは,7.1.5.1.1測定システム解析,7.1.5.2.1校正/検証の記録にも適合していなければならない。
(タートル図ー製造プロセス 参照)
c)プロセス又はアウトプットの管理基準,並びに製品及びサービスの合否判定基準を満たしていることを検証するために,適切な段階で監視及び測定活動を実施する。
8.1.1運用の計画及び管理―補足で明確にされた、またコントロールプランで規定された監視及び測定を実施する。 (タートル図ー製造プロセス 参照)
d)プロセスの運用のための適切なインフラストラクチャー及び環境を使用する。
8.5.1.1コントロールプランで規定された適切な機械等を使用する。
これは,7.1.31工場,施設及び設備の計画で計画され, コントロールプランで個別製品の製造に使用される。
(タートル図ー製造プロセス 参照)
e)必要な適格性を含め,力量を備えた人々を任命する。 (タートル図ー製造プロセス 参照)
f)製造及びサービス提供のプロセスで結果として生じるアウトプットを,それ以降の監視又は測定で検証することが不可能な場合には,製造及びサービス提供に関するプロセスの,計画した結果を達成する能力について,妥当性確認を行い,定期的に妥当性を再確認する。 (タートル図ー製造プロセス 参照)
g)ヒューマンエラーを防止するためにポカヨケの処置を実施する。(タートル図ー製造プロセス 参照)
h)リリース,顧客への引渡し及び引渡し後の活動を実施する。
製品のリリース(検査),顧客への引渡し及び引き渡し後の活動(市場クレーム対応,故障修理)が規定された通り実施されている。
9 パフォーマンス評価
品質保証部は,顧客の部品承認プロセス要求事項で規定された製造工程能力(Cpk)又は製造工程性能(ppk)の結果を「製造工程能力等調査結果表」に記録する。当社は,工程フロー図,PFMEA及びコントロールプランが実施されることを確実にする。これには次の事項の順守を含める。
a)測定手法
b)抜取計画
c)合否判定基準
d)変数データに対する実際の副定値及び/又は試験結果の記録
e)合否判定基準が満たされない場合の対応計画及び上申プロセス
治工具の変更,機械の修理のような工程の重大な出来事は,文書化した情報として記録し保持する。
品質保証部は,統計的に能力不足又は不安定のいずれかである特性に対して,コントロールプランに記載されている,仕様への適合の影響が評価された対応計画を開始する。対応計画には,必要に応じて,製品の封じ込め及び全数検査を含める。工程が安定し,統計的に能力をもつようになることを確実にするために,特定の処置,時期及び担当責任者を規定する是正処置計画を策定し実施する。この計画は,要求される場合,顧客とともに見直しし承認を受ける。
当社は,工程変更の実効日付の記録を維持する。
(参照文書)品質管理手順書 第5章 統計的工程管理SPC(9.1) 工程能力評価表
製造工程能力等調査結果表
9.1.1.2 統計的ツールの特定
品質保証部は,統計的ツールの適切な使い方を決定する。当社は,適切な統計的ツール(管理図,製造工程能力(Cpk), 製造工程性能(ppk))がAPQPプロセスの一部として含まれていること,かつ,設計リスク分析(DFMEA記録),工程リスク分析(PFMEA記録)及びコントロールプランに含まれていることを検証する。
9.1.1.3 統計概念の適用
次のような, 統計概念は,統計データの収集,分析及び管理に携わる従業員に理解され,使用されるようにする。
ばらつき,管理(安定性),工程能力(Cpk)及び過剰調整によって起きてしまう結果
9.1.2 顧客満足
品質保証部は,顧客のニーズ及び期待が満たされている程度について,顧客がどのように受け止めているかを「顧客満足調査表」で監視する。当社は,この情報の入手,監視及びレビューの方法を決定する。
9.1.2.1 顧客満足-補足
製品及びプロセスの仕様書及び他の顧客要求事項への適合を確実にするために,内部及び外部の評価指標の継続的評価を通じて,自社に対する顧客満足を監視する。
パフォーマンス指標は,客観的証拠に基づき,次の事項を含める。
a)納入した部品の品質パフォーマンス
b)顧客が被った迷惑
c)市場で起きた回収,リコール,補償(該当する場合には,必ず)
d)納期パフォーマンス(特別輸送費が発生する不具合を含む。)
e)品質又は納期問題に関する,特別状態を含む,顧客からの通知
品質保証部は,製品品質及びプロセス効率に対する顧客要求事項への適合を実証するために,製造工程のパフォーマンスを監視する。監視には,提供される場合,オンライン顧客ポータル及び顧客スコアカードを含む,顧客パフォーマンスデータの見直しを含める。