うれしいですね!
Y社様は,弊社のIATF16949品質マニュアルほか,全セットのIATF16949文書類を購入され独自でIATF16949の取得されました。
独自で取り組まれましたので2019年12月から2021年10月までだいたい2年間かかったことになります。
IATF16949品質マニュアルを作成するのは大変でした。
それは、IATF16949の品質マニュアルを作成するには、IATF16949の要求事項だけではだめで、ISO9001要求事項も含めなくてはいけません。二つの要求事項を机においても,そう簡単には,IATF16949品質マニュアル作成はできませんでした。作成を始めたのですが、途中で作成が進みません。それは、IATF16949要求事項、ISO9001要求事項を別々に参照するのはどうしても読みづらいのです。そこでIATF16949規格要求事項とISO9001規格要求事項を一つの冊子にし,一冊の規格集を作成しました。下記が1冊にした要求事項で、この1冊を見ていけばいいことになり、IATF16949品質マニュアルの作成も進んでいきました。
IATF16949要求事項とISO9001要求事項を1冊にした要求事項を作成しました
1 支援
- 資源
- 一般
ISO9001:2015 要求事項参照
- 一般
組織は,品質マネジメントシステムの確立,実施,維持及び継続的改善に必要な資源を明確にし,提供しなければならない。
組織は,次の事項を考慮しなければならない。
- 既存の内部資源の実現能力及び制約
- 外部提供者から取得する必要があるもの
- 人々
ISO9001:2015 要求事項参照
- 人々
組織は,品質マネジメントシステムの効果的な実施,並びにそのプロセスの運用及び管理のために必要な人々を明確にし,提供しなければならない。
- インフラストラクチャ
ISO9001:2015 要求事項参照.
- インフラストラクチャ
組織は,プロセスの運用に必要なインフラストラクチャ,並びに製品及びサービスの適合を達成するために必要なインフラストラクチャを明確にし,提供し,維持しなければならない。
注記 インフラストラクチャには,次の事項が含まれ得る。
- 建物及び関連するユーティリティ
- 設備。これにはハードウェア及びソフトウェアを含む。
- 輸送のための資源
- 情報通信技術
7.1.3.1 工場,施設及び設備の計画
組織は,工場,施設及び設備の計画を策定し改善するために,リスク特定及びリスク緩和の方法を含めて,部門横断的アプローチを用いなければならない.工場レイアウトを設計する際は,組織は次の事項を実施しなければならない..
- 不適合製品の管理を含む,材料の流れ,材料の取扱い及び現場スペースの付加価値のある活用を最適化する.
- 該当する場合には,必ず,同期のとれた材料の流れを促進する.
新製品及び新運用に対する製造フィージビリティを評価するために,方法を開発し,実施しなければならない.製造フィージビリティ評価には,生産能力計画を含めなければならない.これらの方法は,既存の運用への提案された変更を評価することにも適用可能でなければならない.
組織は,リスクに関連する定期的再評価を含めて,工程承認中になされた変更,コントロールプランの維持(8.5.1.1 参照)及び作業の段取り替え検証(8.5.1.3 参照)を取り入れるために,工程の有効性を維持しなければならない.
製造フィージビリティ評価及び生産能力評価は,マネジメントレビューへのインプットとしなければならない(ISO9001 の 9.3 参照)
注記 1 これらの要求事項には,リーン生産の原則の適用を含めることが望ましい.
注記 2 これらの要求事項は,該当する場合には,必ず,サイト内供給者の活動に適用することが望ましい.
- プロセスの運用に関する環境
ISO9001:2015 要求事項参照
- プロセスの運用に関する環境
組織は,プロセスの運用に必要な環境,並びに製品及びサービスの適合を達成するために必要な環境を明確にし,提供し,維持しなければならない。
注記 適切な環境は,次のような人的及び物理的要因の組合せであり得る。
- 社会的要因(例えば,非差別的,平穏,非対立的)
- 心理的要因(例えば,ストレス軽減,燃え尽き症候群防止,心のケア)
- 物理的要因(例えば,気温,熱,湿度,光,気流,衛生状態,騒音)これらの要因は,提供する製品及びサービスによって,大いに異なり得る。
注記 ISO45001(又はそれに相当するもの)への第三者認証が承認されれば,この要求事項の要員安全の側面に対する組織の適合を実証するために用いてもよい.
1.1.4.1 プロセスの運用に関する環境-補足
組織は,製品及び製造工程のニーズに合わせて,事業所を整頓され清潔で手入れされた状態に維持しなければならない.
商品の簡単な案内
品質マニュアルは、表紙、品質方針、マニュアル配布表,改訂履歴,目次,0 目的1 適用範囲2 引用規格3 用語及び定義4 組織の状況5 リーダーシップ6 計画 7 支援 8 運用 9 パフォーマンス評価 10 改善 品質保証体系図 の構成で作成して、A4版で全94ページのマニュアルになっています。ュアルです。一部ですが下記のサンプルを見て頂ければと思います。
(1)表紙には,①文書番号,②文書名,③版番号,④発行日,⑤発行元,⑥作成者,⑦承認者を記載します。詳しくは下位文書の”文書管理規定”に書きます。
(2)品質方針を最初に掲げます。自社のIATF16949のマネジメントシステムの方針について最高責任者の意図を品質方針という形で公開します。品質方針について、要求事項は次のように規定しています。
5.2.1 品質方針の確立
トップマネジメントは,次の事項を満たす品質方針を確立し,実施し,維持しなければならない。
a) 組織の目的及び状況に対して適切であり,組織の戦略的な方向性を支援する。
b) 品質目標の設定のための枠組みを与える。
c) 適用される要求事項を満たすことへのコミットメントを含む。
d) 品質マネジメントシステムの継続的改善へのコミットメントを含む。
5.2.2 品質方針の伝達
ISO9001:2015 要求事項参照
5.2.2 品質方針の伝達
品質方針は,次に示す事項を満たさなければならない。
a) 文書化した情報として利用可能な状態にされ,維持される。
b) 組織内に伝達され,理解され,適用される。
c) 必要に応じて,密接に関連する利害関係者が入手可能である。
(3)マニュアル配布表
どの部署に、マニュアルの第何版を配布しているかを管理する表です。
(4)改訂履歴
品質マニュアルは、初版発行から内部監査、審査機関等の審査の機会により、マニュアルの
文言、文章等を訂正しなければならなく、そしてその都度マニュアルを改訂発行しなければ
なりません。
例えば、文書の改訂
①文書の改訂にあたっては,定める初版制定時と同じ者が作成,承認を行う。
②文書の作成者は,変更の性質を文書ごとの改訂履歴に明確にする。
③旧版文書の原本は,表紙に「旧版」の印を押し旧版であることを明示して「旧版
ファイル」に閉じる。品質保証部は,保管年数が経過したのち廃棄する。
④手書きによる修正は行わない。
⑤改訂における文書の差し替えは,改訂文書毎または改訂ページ毎とする。
IATF16949の取得に取り掛かり、審査機関の審査を受けるまでは、品質マニュアルは
何回も改訂され,良い品質マニュアルが出来上がるものです。そしてこの改訂履歴に
記載される内容も多いので、改訂内容の幅は広くとっておく必要があります。
(5)目次
品質マニュアルの目次は、①業務の流れに沿って作成していく方法と②IATF16949要求事項に
従い作成していく方法があります。業務に従い,品質マニュアルを作成していくには、よほど
IATF16949要求事項を理解していないとなかなか作成ができません。これに対して
IATF16949要求事項に従い作成していくのは、要求事項の漏れのない品質マニュアル
をさくせいするには良い方法です。また内部監査や外部の審査機関の審査においても、
IATF16949要求事項の順序に従い行われる(本来は関係個所をまとめて審査が行われますが)
ので要求事項の順序に作成するのが有効性があります。
よって品質マニュアルの目次は、IATF16949要求事項の構成になっています。
(6)0 目的
品質マニュアルの目的について記載します。 例えば
この品質マニュアルは,〇〇株式会社が次の事項について全社員一丸となって達成すること
を目的として,作成し,実施し,維持する。
(1)顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たした製品及びサービスを
一貫して提供できる。
(2)顧客満足の向上させる機会を増やす。
(3)当社の状況及び目標に関連したリスク及び機会に取り組む。
(4)規定された品質マネジメントシステム要求事項への適合を実証できる。
(7)1 適用範囲
適用範囲においては、IATF16949マネジメントシステムを適用する範囲を
記載します。
何があるか?企業名、住所、その施設(工場)の範囲、使用する設備機器の範囲、
人の範囲、 製品及びサービスの範囲等その範囲を明確にする必要があります。
参考までに、要求事項を記載しておきます。
1 適用範囲
この規格は,次の場合の品質マネジメントシステムに関する要求事項について
規定する。
a) 組織が,顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たした製品及び
サービスを一貫して提供する能力をもつことを実証する必要がある場合。
b) 組織が,品質マネジメントシステムの改善のプロセスを含むシステムの
効果的な適用,並びに顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項への
適合の保証を通して,顧客満足の向上を目指す場合。
この規格の要求事項は,汎用性があり,業種・形態,規模,又は提供する製品
及びサービスを問わず,あらゆる組織に適用できることを意図している。
注記 1 この規格の“製品”又は“サービス”という用語は,顧客向けに意図した
製品及びサービス,又は顧客に要求された製品及びサービスに限定
して用いる。
注記 2 法令・規制要求事項は,法的要求事項と表現することもある。
注記 3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 9001:2015,Quality management systems-Requirements(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,
“一致している”ことを示す。
1.1 適用範囲-ISO9001:2015 に対する自動車産業補足
この自動車産業QMS規格は,組込みソフトウェアをもつ製品を含む,
自動車関係製品の,設計・開発,生産,該当する場合,組立,取付け
及びサービスの品質マネジメントシステム要求事項を定める.
この自動車産業QMS規格は,顧客規定生産部品,サービス部品及び
/又はアクセサリ
ー部品の製造を行う組織のサイトに適用する.
この自動車産業QMS規格は,自動車産業サプライチェーン全体に
わたって適用することが望ましい.
(8)2 引用規格
下記のように記載します。
(1)JIS Q 9001:2015/ISO9001:2015 品質マネジメント
システム―要求事項
(2)JIS Q 9000:2015/ISO9000:2015品質マネジメント
システム―基本及び用語
(3)IATF16949:2016 自動車産業品質マネジメントシステム規格
-自動車産業の生産部品及び関連するサービス部品の組織は対する品質マネジメント
システム要求事項(附属書A(コ
ントロールプラン)を含む)
(4)JIS Q 19001;2012/ISO19011;2011
(5)IATF 公式解釈及びFAQ
(6)IATF承認取得・維持ルール第5版(英語)
(9)3 用語及び定義
(10)下記については、省略します。下記のIATF16949品質マニュアルのサンプルをみて下さい。
IATF16949品質マニュアルのサンプル
IATF16949品質管理手順書
運用記録様式
内部監査チェックリスト